
ごあいさつ

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日本整形外科学会 男女共同参画委員会 担当理事
原 仁美(令和7・8年度)
このたび、日本整形外科学会 男女共同参画委員会の担当理事を拝命いたしました原仁美です。当委員会では、女性会員も男性会員も共に整形外科医としてのキャリアを築き、活躍できる機会と場を広げること、そして学生・研修医・若手医師に選ばれる、より魅力ある整形外科を実現することを最重要課題として取り組んでいます。委員長の山本りさこ先生をはじめ、委員・アドバイザーの先生方と連携しながら活動を進めてまいります。
整形外科は、手術から保存療法、リハビリテーションまで幅広い選択肢を持ち、運動器のあらゆる問題に対応するダイナミックで多様性に富んだ診療科です。医療の高度化や社会構造の変化に伴い、整形外科医に求められる役割も変化しており、性別や年齢に関係なく、多様な背景を持つ医師が互いの強みを生かして協働する体制づくりが求められています。
当委員会が2017年に実施した女性会員対象調査では、71%が育児と仕事の両立に困難を感じており、その背景には長時間労働や身体的負担、職場や家庭からの理解不足などがあることが明らかとなりました。2024年のフォローアップ調査では改善の兆しも見られましたが、指導的立場や学術活動の場面において女性医師の登用が依然として不十分であるなど、新たな課題も浮かび上がってきています。
男女共同参画委員会では、整形外科医がライフイベントやキャリアの節目においても、自分らしく働き続けられるよう、制度と文化の両面から支援を行っています。「整形外科医になろうセミナー」や「男性育休体験談の発信」、国際的な交流活動など、多様性を力に変える取り組みを今後も積極的に推進してまいります。
整形外科を志す学生・研修医、そして日々現場で奮闘されているすべての会員の皆さまが、誇りをもって長く働き続けられる環境を整えることが、私たちの使命です。引き続き、皆さまの温かいご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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男女共同参画委員会 委員長
山本 りさこ(令和7・8年度)
令和5年度より本委員会の活動に参加し、今年度より委員長を務めさせていただくことになりました。厚生労働省の報告によると、2022年の女性医師の割合は23.6%、20〜30代では30%を超えています。整形外科は依然として女性が少なく、2023年の日本整形外科学会における女性会員比率は6.7%にとどまっていますが、20代で15%、30〜40代でも10%と、着実に増加しています。
当委員会の前身である「女性医師支援等検討委員会」が2017年に実施した女性医師アンケートから7年を経て、2024年に第2回調査を行いました。結果は2025年秋に公表予定ですが、今回は専門医資格やサブスペシャルティーを持つ女性医師の増加が見られました。これは、各施設・病院において、多くの関係者の皆様が男女共同参画や働き方改革の趣旨をご理解くださり、日々の診療の中で実践的な取り組みを積み重ねてこられた成果であると受け止めております。女性医師が増えることで、指導的立場にある医師には新たなチームマネジメントが求められ、女性医師自身もリーダーシップを発揮する機会が増えていくと考えます。こうした新たな局面に向けて、まだ模索の段階ではありますが、施設へのインタビューや海外の女性医師との情報交換を通じ、得られた知見をホームページ等で随時ご紹介してまいります。
また、委員会の活動の一つとして医学生、研修医を対象にした「整形外科になろうセミナー」を年2回開催しています。専攻医や専門分野でご活躍されている先生方に整形外科の魅力や多様な働き方について講演をしていただいており、オンデマンドで視聴可能です。専門分野をまだ決めかねている方にとっても、有意義な内容となっています。どのようなキャリアを歩まれるにしても、自分らしい働き方を実現できるよう、今後も手術・サブスペシャルティーの探求、研究活動、地域医療への貢献など、多様な選択肢に応じた情報を発信してまいります。会員の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。