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日本整形外科学会 男女共同参画委員会 担当理事
山内 かづ代(令和5・6年度)
超高齢社会を迎え、筋骨格系疾患の外来受診者や要支援・要介護者、ロコモティブシンドロームは増加の一途であり整形外科の需要はますます高まっています。現在の整形外科医の割合としては女性医師5.6%,男性医師94.4%と男性が圧倒的に多いですが,整形外科を受診する患者さんの男女比はほぼ1:1,痛みやADL制限を伴う患者さんや小児,高齢者への理解と良好なコミュニケーション,後進の育成など,女性医師の特性や子育ての経験がメリットとなる活躍の場は多く、整形外科女性医師のニーズは無限大です。
整形外科では運動器官を構成するすべての疾病や外傷の診断から治療までを広く扱います。実際、整形外科医の技能としては、骨折や脱臼の整復も力任せに行う必要はほとんどなく,コツとタイミングを理解することで対応が可能です。整形外科領域の手術は腕力より技術を要し,鏡視下で神経や血管を扱う繊細な手術もあること、専門領域が手、足、関節、脊椎など幅広いサブスペシャリティに分かれており専門領域を極めていくことも可能なこと、投薬・ブロック注射などの保存加療から手術、リハビリテーションまで、治療法の選択が幅広いことも特徴であり魅力でもあります。これらの診察や治療を通じ、患者さんの日常生活に寄り添い、仕事、社会活動、スポーツ、趣味の継続や復帰を支援できることは医師として、整形外科医として何よりの喜びと思います。
日本整形外科学会男女共同参画委員会では、女性会員も男性会員も共に整形外科医としてのキャリアを築き活躍できる機会・場所を作ること、学生・研修医・若手の医師に選ばれる魅力あふれる整形外科になることを、最重要課題として活動しています。広報室ニュースJOYFUL通信、整形外科医になろうセミナー、男性育休体験談、海外トラベリングフェローとの意見交換などを通じた、国内外・公私共に生き生きとした整形外科医の活躍に、どうぞご注目ください。男女ともにライフイベントが重なる時期も、学会での活躍、留学の機会、整形外科手術・診療技術の維持向上など、キャリアを継続し、みなさん自身が充実して働き続けることができるよう積極的な支援を行ってまいります。